こんにちは。
メガネのミヤコヤ4代目、高橋雅人です!
メガネレンズの選び方で一番肝になるのは「薄型かどうか?」だと思うんです。でも実際は薄型だからという基準だけでレンズを選ぶことはオススメしません。今日はそんな話をしてみたいと思います。
メガネのレンズには良く聞く判断基準に「薄さ」があります。
これは一番分かりやすく、最もメリットを感じやすい判断基準、ですよね!
チラシや広告を見ると「薄型レンズ付き!!」と出ているモノもあります。
それは良いんです、良いんですが、レンズの種類は薄型だけではない。
敢えて言うなら、薄いというメリットにだけフォーカスすることで、他のデメリットが知られていない場合がある、と思ったので少し整理してみたいと思います。
薄さを表す基準に屈折率というものがあります。
これが大きい数字になるほどレンズは薄くなります。
ちなみに良く使われる屈折率はプラスチックレンズだと1.50、1.60、1.67、1.70、1.74といった感じ。
それに対してガラスでは1.50、1.60、1.70、1.80、1.90といったイメージ。
そうなんです!
実はガラスレンズの方が薄くできるんです。でも今はあまり使われなくなりましたよね♪
そんなガラスレンズにもあとで少し触れてみたいと思います。
まずは「アッベ数」という数値のお話。
このアッベ数は屈折率が大きくなるほど小さくなる特徴があります。素材によっても数値は違うので、実数は控えますが、薄くなるほど小さくなるという感じ。
で、この数字、小さくなればなる程「色収差」と言われる収差が発生してしまいます。
簡単に言うと滲みやすくなるという感じ。コントラストが落ちると言ってもいいのかな?
コレが薄型だから良いとは言い切れない理由その1です!
もうひとつ、一概に薄型だから良いとは言えない理由があります。
個人的には先ほどのアッベ数よりこちらの方が実際に使っている方からしたらデメリットになるんじゃないかなぁ、と思う理由。
それが薄くするために何を混ぜているか?
これなんです!
答えから言ってしまうと、プラスチックレンズには「硫黄」をガラスレンズには「鉛」を混ぜて屈折率を高くしているんだそうです。
この話を聞いたときは、正直衝撃でした!・・・が、すべてが繋がったのもこの話を知ってから。
まずはプラスチックの話からすると、そもそも硫黄ってご存知ですか?
理科の授業では腐ったたまごの臭い、なんて言われようだったあの黄色い粉です。
そう、黄色い粉なんです!!
だから薄型レンズになればなるほど黄ばむんです。
でも黄色いままじゃ変だから、その黄色を打ち消すために青を混ぜて透明な状態を作っています。
レンズメーカーさんもより良いものにしよう、といろいろ考えますよね!
経年劣化で時間が経てば経つほど、薄いレンズはこの黄色が強く出てきてしまう。ちょっとずつ見た目も悪くなりますよね。
余談ですが、メガネ屋さんに行くと独特のにおいが漂ってくることがあります。
それはこの硫黄のにおいだったりします。
薄くなればなるほど削った時に発生するにおいは強烈になります。
そして、ガラスレンズ。
結構な衝撃ですよね、鉛を入れるって・・・。
ただ、思い返してみると、ガラスレンズの薄型は薄くすればするほど比重が重くなります。
『そうゆうことだったのか!!』
と、なったのは言うまでもないですね。
そうなんです。ガラスのレンズは薄くなると重くなる。
だから、薄くすると見た目は良いかもしれないけど、重く掛けるのは辛くなるわけですよね。
まるで、中世ヨーロッパのコルセットです。
今回の話で何が言いたかったかというと、メガネレンズの価値は「薄い」だけではないという事。
薄いことで起こる悪いこともあるという事実は知っておいてほしかった、という感じ。
レンズの硬さで言っても一般的には1.74(かなり薄いレンズ)という素材はかなり割れやすいです。だから縁なしメガネには向かない、というフレームとの相性の問題もあるんです。
薄くすればするほど価格は上がります。だから良いもののように感じてしまうかもしれません。
でも実際は違う。
僕個人の考えでは最適なものも方が価値は高いと思うんです。
だから場合によっては、
「これ以上薄いのは意味がないので買わないでください!」
とストレートに言ってしまうこともあります。
それくらい、最適なものをぜひ選んでいただければ嬉しく思います♪
ABOUT この記事を書いた人
高橋 雅人(たかはし まさと)
新潟県十日町市でミヤコヤの長男として生まれ、家業を継ぐべく現在修業中です。人の笑顔を見ること、喜ばせることが好きで、メガネを楽しめる方が増えるように、いろんなことにチャレンジ中!趣味は、読書・映画鑑賞・カクテル。【SS級認定眼鏡士/認定補聴器技能者】
BJ CLASSIC(BJクラシック)から新作フレーム「STADIUM」(スタジアム)が入荷しました。
STADIUMは現存する世界最古のフレームメーカーアメリカンオプティカル(A.O.)社の名作を復刻した「REVIVAL EDITION」。
クラシック感のあるキーホールブリッジを採用していますが、その主張は少なめで、ビジネスシーンでも使いやすいデザインです。
小さめのウェリントンでありながら、フレームの厚みはしっかりあるので、メガネを掛けている感はしっかりと出しながら強すぎる印象にはならない、絶妙なバランス感は必見です!!